【2025年】男性保育士の割合はどれぐらい?給与や将来性も徹底解説!

男性保育士は少しずつ増えてきているものの、まだ全体の中ではごく少数派です。本記事では、2025年時点の男性保育士の割合や給与水準、将来性について分かりやすく解説し、男性が働きやすい職場環境やキャリアの広がり方も紹介します。

男性保育士の割合はどれぐらい?

こども家庭庁の最新統計(令和6年4月1日)によると、登録保育士総数 1,898,019人 のうち、男性は 98,676人。割合にすると 約5.2% にとどまります。

《保育士登録者数等(男女別)》

男性女性
令和6年4月1日98,676人1,799,343人

10年前は約4.4%台でしたので、徐々に増えてはいるものの、依然として女性が大半を占める職場であることがわかります。ただし国も多様な人材確保を重視しており、2025年度から始まっている 1歳児配置改善加算制度などの政策を通じて、保育士不足の解消と男性保育士の活躍推進を両立しようとしています。男性が現場に加わることで、子どもにとって多様なロールモデルと関わる機会が広がる点も、教育的に大きな意義があります。

こども家庭庁:保育士登録者数等(男女別)

こども家庭庁:1歳児の職員配置の改善

男性保育士の割合が少ない理由とは

「保育士」と聞くと、女性が多い職業というイメージを持つ人が多いでしょう。実際、令和6年時点で男性保育士の割合は 約5.2% にとどまっており、依然として少数派です。

男性保育士が少ない背景には、主に次のような要因があります。

  • 「女性の仕事」というイメージが根強く残っている
  • 同年代の男性と比べて収入が低い傾向がある
  • 女性が多い職場特有の人間関係に馴染みにくい
  • 男性用設備やロールモデルの不足といった職場環境の課題

こうした複数の要因が重なり合い、男性保育士の割合は伸び悩んでいるのが現状です。

男性保育士の給与、年収、賞与

保育士は「やりがいはあるが収入が低い」というイメージを持たれることが多い職業です。ここでは、男性保育士の給与や年収、賞与の実態を整理してみましょう。

男性保育士の給与

厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(令和6年)によると、役職者を除いた保育士全体の平均月収は277,200円 です。これは前年よりも上昇傾向にあり、処遇改善や加算制度の効果が一定程度反映されています。

男女差はほとんどありませんが、男性保育士の場合は主任や園長など管理職に登用されるケースが比較的多いため、キャリアを積むことで月収が上がる可能性があります。

参考までに、こども家庭庁が公表している「役職者を含む保育士全体」の平均月収は 約28.4万円 であり、役職に就くかどうかで給与水準に差が出ることが分かります。

厚生労働省:令和6年度賃金構造基本統計調査

男性保育士の年収

賞与を含めた年収は 350万〜420万円程度 が目安です。

  • 私立園:年収350万円前後
  • 公立園(地方公務員):年収400〜450万円程度

長期的に勤務する場合、公立園の方が安定して高水準になる傾向があります。

男性保育士の賞与

賞与(ボーナス)の目安は以下のとおりです。

  • 公立園:年間 約4か月分
  • 私立園:年間 2〜3か月分

ただし、私立園は法人ごとの財政状況に左右され、1〜2か月分にとどまるケースもあります。

男性保育士の待遇

男性保育士の待遇は、収入面だけでなく働きやすさやキャリアの見通しが重要です。近年は処遇改善等加算やICT導入により、残業削減や有給取得が進み、環境は着実に改善しています。また、男性は主任や園長など管理職に登用されるケースも多く、昇進によって給与水準が上がる傾向もあります。さらに育児休業を取得しやすくなり、ワークライフバランスの確保も可能になってきました。依然として少数派ではありますが、園内での理解や支援体制が広がりつつあり、今後の定着促進につながると期待されています。

【関連記事】保育園ICT化のメリット・デメリットとは?補助金や選び方のポイントも解説! – 株式会社チポーレ – お役立ち情報

男性が保育士として働くメリット

男性保育士はまだ少数派ですが、その存在は子どもや保護者、園全体にとって大きなプラスの要素となります。ここでは男性ならではの強みを整理します。

体力を活かして子どもの遊びや活動を支えられる

外遊びや運動会、遠足など、体力を必要とする場面では男性保育士が力を発揮できます。思い切り体を動かす遊びに積極的に関われることで、子どもたちの挑戦意欲や達成感を引き出しやすくなります。心理学的にも「遊びを通じた身体活動」は子どもの社会性や自己肯定感の向上に役立つとされており、男性保育士が積極的に関わることは教育的意義が大きいといえます。

力仕事や安全面で心強い存在

行事の準備や園庭の整備など、力仕事が必要な場面では男性保育士が頼れる存在になります。また、不審者対応や園外保育の引率など、安全確保が求められる場面でも心強い存在として評価されています。保護者にとっても「安全対策を任せられる男性保育士がいる」という安心感は大きなポイントです。

子どもに多様なロールモデルを提供できる

男性保育士が身近にいることで、子どもたちは「男性も女性も保育や育児に関わる」という自然な価値観を持つことができます。特に男の子にとっては将来像の幅を広げるきっかけになり、ジェンダー平等の観点からも重要です。

こども家庭庁が公表した 「はじめの100か月の育ちビジョン」 でも、子どもの発達には家庭だけでなく地域社会を含めた「多様な人との関わり」が不可欠であると示されています。この考え方からも、男性保育士の存在は教育的に大きな効果があるといえるでしょう。

こども家庭庁:はじめの100ヵ月の育ちビジョン

男性保護者にとって相談しやすい存在

男性保育士がいることで、父親世代の保護者にとっても園に相談しやすい環境が生まれます。進路やしつけ、家庭での役割分担といったテーマは、同性同士だからこそ共有しやすい部分があります。結果として園と家庭の連携が強まり、子どもにとってより良い環境づくりにつながります。

男性が保育士として働くデメリット

男性保育士は園に新しい価値をもたらす一方で、現場ではまだ課題も残されています。ここでは、男性だからこそ直面しやすい働きにくさを整理します。

先入観を持たれてしまう恐れ

「保育士=女性の仕事」というイメージは今なお強く、男性保育士は保護者や地域から特別視されることがあります。とくに着替えやトイレ介助などデリケートな場面では、保護者の理解を得にくい場合もあり、十分な配慮が必要です。こうした先入観は男性保育士自身にとって心理的な負担となり、働きにくさを感じる要因の一つとなっています。

男性用トイレや更衣室が少ない

保育現場は女性職員が多い職場であるため、男性専用の更衣室やトイレが整備されていない園も少なくありません。プライバシーを守りながら働くための基本的な環境が整っていないことは、男性保育士にとって不便さや不公平感を生む要因になります。設備の整備は男性保育士が安心して働くうえで欠かせない課題です。

女性が多い環境特有の人間関係の難しさ

保育現場では職員の大多数を女性が占めているため、男性保育士は少数派として孤立感を抱きやすくなります。職場内でのコミュニケーションスタイルの違いや、気軽に相談できる同性の先輩が少ないことが、人間関係の難しさにつながります。離職理由の上位に「人間関係」が挙げられていることからも、男女を問わず職場の人間関係が保育士にとって重要な働きやすさの条件となっているといえます。

男性保育士の将来性

男性保育士は現在も全体の約5%にとどまっていますが、国の施策や社会の意識変化を背景に、今後さらに活躍の場が広がると期待されています。少子化が進む中でも保育の質を高めるためには多様な人材が不可欠であり、体力や安全面への貢献はもちろん、子どもに多様なロールモデルを示す存在として社会的ニーズが高まっています。厚生労働省やこども家庭庁による処遇改善やキャリアアップ研修などの政策も後押しとなり、管理職や園長などのキャリアパス、さらには子育て支援や教育分野への広がりも視野に入ります。固定観念が薄れ、保護者や地域の理解が進むことで、男性保育士がより働きやすく、安心して定着できる未来が見えてきています。

男性保育士の求人状況

男性保育士はまだ全体の5%程度と少数派ですが、人材不足が深刻化している保育業界では採用ニーズが高まっています。求人票では「男性歓迎」「体力を活かせる」といった記載が見られることも増えており、園側も積極的に受け入れる姿勢を示しています。特に公立園や大規模法人では、男女のバランスを考慮した採用が進められており、男性保育士が活躍できる場は広がりつつあります。少子化の中で保育士の確保が最重要課題とされる今、男性保育士は将来性のあるキャリアとして注目されています。

【関連記事】保育士採用が難しい理由と解決策を徹底解説!選ばれる園になるためのポイント – 株式会社チポーレ – お役立ち情報

男性保育士として活躍を広げるために

男性保育士が安心して働き続けるためには、専門的な知識やスキルに加えて、日々の接し方や同僚との関係づくりが大切です。以下のような取り組みを意識することで、より存在感を発揮できるでしょう。

子どもや保護者に安心感を与える接し方を意識する

男性保育士に対しては「力が強い」「頼れる」といったイメージがある一方、デリケートな場面では保護者が不安を感じる場合もあります。そのため、子どもに対しては柔らかい言葉づかいや丁寧な対応を心がけ、保護者に対しては誠実でオープンなコミュニケーションを意識することが大切です。安心感を与える振る舞いは、信頼関係の構築に直結します。

職員同士でコミュニケーションを積極的にとる

女性職員が多い環境では、男性保育士が少数派として孤立感を抱きやすい傾向があります。そのため、日頃から職員同士の会話や情報共有を積極的に行い、チームの一員として信頼を築くことが重要です。小さな相談や意見交換を積み重ねることで、人間関係の壁を和らげ、働きやすい職場づくりにも貢献できます。

自分の強み(体力・特技など)を活かして役割を広げる

男性保育士は体力や運動能力を活かした遊びのサポートだけでなく、音楽・スポーツ・工作など自分の得意分野を園での活動に取り入れることで存在感を高められます。園児に新しい体験を提供できるだけでなく、職員同士の役割分担もスムーズになり、結果としてチーム保育の質向上にもつながります。

男性保育士が働きやすい職場とは?

男性保育士は少数派であるからこそ、職場選びが働きやすさに直結します。以下のような環境は、男性保育士が力を発揮しやすい職場として注目されています。

大規模保育園

職員数が多いため男女のバランスが取りやすく、ロールモデルとなる先輩男性保育士が在籍している可能性もあります。人員配置に余裕があることで、業務の分担も柔軟に行いやすいのが特徴です。

夜間保育所

夜間帯は防犯や安全管理への意識が特に重要です。男性保育士が配置されることで、保護者や園児にとって安心感を高められる職場環境となります。

企業主導型保育園

企業の福利厚生として設置される園では、柔軟なシフトや多様な勤務形態が整っている場合が多く、男性保育士も働きやすい環境を得やすいです。園児数が比較的少なく、職員一人ひとりの役割が明確になるのも特徴です。

児童養護施設

保育士資格を活かして働ける場として児童養護施設もあります。子どもたちの生活支援や自立支援に関わる仕事で、男性職員の存在は特に年長児や思春期の子どもたちにとって良き相談相手となりやすく、やりがいを感じやすい職場です。

自分の強み(体力・特技など)を活かして役割を広げる

男性保育士は体力や運動能力を活かした遊びのサポートだけでなく、音楽・スポーツ・工作など自分の得意分野を園での活動に取り入れることで存在感を高められます。園児に新しい体験を提供できるだけでなく、職員同士の役割分担もスムーズになり、結果としてチーム保育の質向上にもつながります。

まとめ |男性保育士が増えることで変わる保育現場

男性保育士はまだ全体の5%程度ですが、子どもに多様なロールモデルを提供し、保護者や職員に安心感を与える存在としてますます注目されています。社会的なニーズは確実に高まっており、今後は活躍の場も広がるでしょう。

一方で、園にとっては「どうやって男性を含む幅広い人材にアプローチするか」が課題です。求人票だけでは魅力が伝わりにくい中、LINEを活用して園の雰囲気や働きやすさを直接発信できる 「採用担当らいん君」 は効果的な手段です。例えば「男性保育士も活躍中」「体力を活かせる環境あり」といったメッセージを気軽に発信でき、求職者が安心して応募につながる仕組みをつくれます。

男性保育士が増えることで現場の保育はさらに多様で豊かになります。その一歩を踏み出すために、採用の工夫が重要です。

詳しくは、採用担当らいん君|公式サイトをご覧ください。


執筆者情報

上杉 功(うえすぎ いさお)株式会社チポーレ代表取締役。

保育士の採用や園児集客をサポートするサービスを展開中。保育士や園長の負担軽減と保育の質の向上を目指し、現場に即したサービスや情報発信を日々行っております。