保育園での SDGs の取り組みを徹底解説!明日から実践できるアイデアと遊びを紹介

保育園でできる SDGs の取り組みアイデアをご紹介します。今日から始められる身近な工夫や、子どもたちと一緒に楽しめる活動など、すぐに実践できるヒントが満載です。

SDGsとは何か?保育園が知っておくべき基本情報

持続可能な社会をつくるための目標として、近年よく耳にする「SDGs(エスディージーズ)」。これは「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略で、国連が2030年までに達成を目指す17の国際目標のことです。

保育園では、「難しそう」と感じる方も多いかもしれません。しかし、子どもたちの成長や生活に関わるテーマが多く、実は保育の中でも無理なく取り組むことができます。ここでは、SDGsの基本情報と、なぜ保育園が関心を持つべきかについて解説します。

SDGsの17の目標

SDGsは、国連が定めた17の国際目標です。以下がその一覧です。
1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
3. すべての人に健康と福祉を
4. 質の高い教育をみんなに
5. ジェンダー平等を実現しよう
6. 安全な水とトイレを世界中に
7. エネルギーをみんなに そしてクリーンに
8. 働きがいも経済成長も
9. 産業と技術革新の基盤をつくろう
10. 人や国の不平等をなくそう
11. 住み続けられるまちづくりを
12. つくる責任 つかう責任
13. 気候変動に具体的な対策を
14. 海の豊かさを守ろう
15. 陸の豊かさも守ろう
16. 平和と公正をすべての人に
17. パートナーシップで目標を達成しよう
この17の目標は、日々の保育や遊びを通じて、子どもたちにも少しずつ伝えていくことができます。

5つのP

SDGsの目標は、「5つのP」と呼ばれる5つの視点に分類されます。
保育園でSDGsを考えるうえで、この5つの視点を知っておくことはとても大切です。

・People(人間)
・Planet(地球)
・Prosperity(豊かさ)
・Peace(平和)
・Partnership(連携)
5つのPを意識することで、SDGsの考え方がより身近に感じられ、保育の中にも取り入れやすくなります。

SDGsの考え方| SDGs持続可能な開発目標

子ども・保護者へのポジティブな影響

SDGsの視点を保育に取り入れることは、園全体に良い影響をもたらします。
まず、子どもたちは「地球にやさしくする」「友達と助け合う」といった感覚を、遊びや生活の中で自然に学べます。たとえば、ごみの分別や水の節約、木のおもちゃを大切に使うことも、SDGsの学びの一歩です。保護者にとっても、園でのSDGsの取り組みは信頼につながります。
環境や福祉に配慮する姿勢を見せることで、「子どもを安心して預けられる園」という印象を強められます。また、SDGsの活動を通じて、保護者との会話や連携も自然と深まり、園と家庭が同じ方向を向いて子育てに関われるようになります。

保育園で取り組めるSDGsは?

実際に保育園でできるSDGsの活動には、どのようなものがあるのでしょうか。今日から実践できる取り組みをご紹介します。
ごみの分別、節水、リサイクル、地域の野菜を使った給食など、毎日の生活の中で実践できる工夫がたくさんあります。こうした取り組みは、子どもたちにとっての学びになり、園の方針として保護者に伝えることで、信頼や共感にもつながります。

環境を大切にする取り組み

保育園でもっとも取り入れやすいのが、自然や資源を大切にする活動です。
たとえばごみの分別やリサイクル、節水・節電の習慣づけなど、日常の中で「環境にやさしい行動」を意識するだけでもSDGsにつながります。園内で使用する紙やティッシュの使い方を見直したり、電気の消し忘れに気づいた子どもを褒めるなど、小さな行動に価値を見出す姿勢が育まれます。

地産地消や食べ残しゼロを目指す食育の実践

地元の野菜を取り入れた給食や、フードロス削減を意識した「食べきり」指導もSDGsの一環です。
地産地消や季節の食材を大切にすることは、地域社会とのつながりや「食べ物の命」を感じる体験につながります。また、調理保育で皮まで使う工夫や、残さず食べる姿勢を褒める取り組みも「つくる責任・つかう責任」を学ぶ機会になります。

おもちゃや衣類のリユースで「もったいない」を伝える

まだ使える服やおもちゃを再利用したり、寄付したりする体験は、物を大切にする心を育てます。
たとえば園内で「リサイクルごっこ」を実施したり、保護者と連携して不要品を回収・再配布する仕組みも、地域とつながるSDGs活動になります。布おむつや木製おもちゃの導入も、資源への配慮や「長く使う」考え方を実感できる方法のひとつです。

友達との関わりで育てる思いやりと平和の心

SDGsは環境だけでなく、「人との関わり」も重要なテーマです。
友達と協力する活動、けんかを話し合いで解決する経験、異なる考えを尊重する機会などは、目標16「平和と公正をすべての人に」につながります。保育者が日々の関わりの中で「思いやり」や「ありがとう」を伝える姿を見せることも、子どもたちにとって大切な学びです。

【年齢別】保育園でできるSDGsの遊びアイデア

SDGsの学びは、楽しい遊びを通して自然に広げることができます。ここでは、年齢ごとの発達に合わせたSDGs遊びの例をご紹介します。

0~1歳児向け|感覚あそびを通じて自然に触れる

この時期の子どもは、五感を使った体験が成長の土台になります。自然とのふれあいを通じて、命や環境に対する興味が芽生えます。

落ち葉・草花・水など自然素材での五感遊び

園庭や公園で拾った葉っぱや小枝、水たまりなどを使った感触遊びを行います。ビニールやプラスチックではなく、本物の自然素材に触れることで、自然への親しみが育ちます。

布のおもちゃ・木のおもちゃの活用

長く使える自然素材のおもちゃは、環境にやさしいだけでなく、手ざわりの違いを感じる体験にもなります。保護者と協力して、手作りのおもちゃを取り入れるのもおすすめです。

2~3歳児向け|「もったいない」を感じる遊び

少しずつ言葉や社会性が育ってくる年齢です。遊びの中で「ものを大切にする気持ち」を育てることができます。

牛乳パックや段ボールを使った制作遊び

身近な廃材を使っておもちゃや道具を作ることで、「再利用」の概念を学べます。完成した作品は、みんなで展示したり、お店屋さんごっこで活用することもできます。

服や靴のリサイクルごっこ遊び

サイズアウトした服や靴を使って、「交換ごっこ」や「お店ごっこ」を楽しみます。「まだ使える」「誰かに譲る」という体験を通じて、物を大切にする気持ちが育ちます。

4~5歳児向け|“世界や環境”を意識する遊び

社会や自然への関心が深まってくる時期です。地球や他の国、未来のことを考える遊びを取り入れてみましょう。

世界の国旗を作ってみよう

さまざまな国の国旗を画用紙で作る遊びです。国の名前や色の意味を知ることで、「世界にはいろんな文化がある」と気づくきっかけになります。

野菜の皮むきやクッキング

調理保育で食材にふれ、「食べ物は大切に使うもの」という意識を育てます。皮を使ってスープにしたり、クズ野菜でだしを取ったりする工夫もSDGsの実践です。

ペットボトルキャップ集め・分別ゲーム

ペットボトルキャップを集めて色分けしたり、素材ごとにごみを分けるゲームを行います。「ごみを減らす」「分けて出す」という意識が遊びながら身につきます。

園児への分かりやすいSDGsの伝え方

SDGsという言葉は難しくても、その考え方は子どもたちの日常と深くつながっています。大切なのは、「言葉」ではなく「体験」や「共感」を通じて伝えることです。ここでは、園児にSDGsの考えを自然に届けるための工夫をご紹介します。

遊びのなかで伝える

子どもたちは遊びを通して多くのことを学びます。
ごみの分別、節水、自然素材での制作など、日々の遊びにSDGsの要素を取り入れることで、「楽しい=学び」に変わります。遊びながら学べることが、SDGsを伝える一番の近道です。

絵本で伝える

SDGsのテーマをやさしく描いた絵本は、園児への導入にぴったりです。

以下は、SDGsのテーマに関連したおすすめの絵本です。
『もったいないばあさん』(真珠まりこ)
『おおきな木』(シェル・シルヴァスタイン)
『ちきゅうがウンチだらけにならないわけ』(へレン・スキャロー)
『せかいのひとびと』(ピーター・スピアー)
絵本は、年齢やテーマに合わせて選ぶことで、保育の中にSDGsの心を自然に溶け込ませることができます。

まとめ|SDGsは小さな一歩から!園の魅力づくりにも繋がる

SDGsは、保育園でも今日から始められる身近な取り組みです。自然素材を使った遊びや、ものを大切にする姿勢は、子どもたちの心を育てるだけでなく、保護者や地域にも園の魅力として伝わります。

こうした日々の工夫を外に発信していくことは、保護者の信頼を得るだけでなく、価値観に共感する人材との出会いにもつながります。株式会社チポーレでは、園の取り組みを見える化し、広報や採用をサポートするサービスをご用意しています。小さな一歩を、園の大きな強みに変えていきませんか?

詳しくは、採用担当らいん君|公式サイトをご覧ください。


執筆者情報

上杉 功(うえすぎ いさお)株式会社チポーレ代表取締役。

保育士の採用や園児集客をサポートするサービスを展開中。保育士や園長の負担軽減と保育の質の向上を目指し、現場に即したサービスや情報発信を日々行っております。