【簡単例文あり】卒園式で心に残る園長挨拶・メッセージの書き方とは?例文やコツをご紹介!
卒園式は子どもたちの成長を祝う大切な節目です。園長の挨拶は、子どもや保護者の心に残る重要なメッセージです。しかし、言葉選びに悩む方も多いでしょう。
この記事では、そんな園長先生や保育士に向けて、卒園式で心に残る挨拶・メッセージの作り方をご紹介します。実際に使える例文や準備のコツもお伝えするので、ぜひ最後までご覧ください。
保護者への感謝を込めた挨拶・メッセージの作り方
卒園式は、子どもたちの成長を見守ってきた保護者にとっても特別な節目です。日々の送り迎えや行事への参加、そして家庭での支えがあってこそ、子どもたちは今日を迎えることができました。園長の挨拶には、そんな保護者への感謝とねぎらいの気持ちを込めることが大切です。
基本の挨拶構成
保護者に向けた挨拶は、以下の3つの構成を意識することで、感謝の気持ちをまっすぐに伝えることができます。
1. 感謝の言葉で始める
「今日まで温かく見守ってくださり、ありがとうございました」など、率直な感謝の言葉で始めましょう。
2. 園と保護者が共に過ごした時間を振り返る
運動会や遠足、参観日など、共に見守った行事を例に挙げて「共感」を呼びます。また、その中で見られた子どもたちの成長に触れることで、保護者の方にも成長の喜びを伝えることができます。
3. お子さんへの今後の成長への願いで締めくくる
「これからの歩みも、幸せと笑顔に満ちたものになりますように」と、未来へのエールを送ることで、温かな余韻を残せます。
保護者が参加した行事について触れる
挨拶の中で、保護者自身の思い出に残っている場面に触れると、感動がより深まります。
例)
「お弁当づくりや衣装の準備、本当にありがとうございました」
「運動会でお子さまと一緒に走ってくださった姿が、今も目に浮かびます」
「保育参観では、お子さまの成長に驚かれたのではないでしょうか」
このような具体的なエピソードは、その場にいたことを思い出させ、共感力を高めます。親としての努力が報われる場面にもなります。
子どもたちの成長エピソードを含める
子どもの成長は、保護者にとって何よりの喜びです。保育園で見られた子どもの姿を挨拶の中で伝えることで、「先生たちはちゃんと見てくれていた」と安心感を届けることができます。
例)
「最初はあいさつが苦手だった〇〇くんも、いまでは自分から元気に『おはよう』と言えるようになりました」
「誰かが泣いていると、やさしく声をかけられる〇〇さんの姿に、私たちも何度も感動しました」
保護者は、園での様子をすべて知っているわけではありません。だからこそ、こうした言葉を聞くことで、子どもの成長を実感し、涙があふれる瞬間になるのです。
【保護者への挨拶】全体に向けての挨拶例文(スピーチ・式典用)
卒園式当日に園長が保護者へ向けて読み上げるスピーチの例文を紹介します。卒園式という場にふさわしく、また感情に寄り添った表現を意識しています。
例文:式典用スピーチ
保護者の皆さま、本日はお子さまのご卒園、誠におめでとうございます。
この日を迎えるまでには、喜びとともに、きっとたくさんのご苦労もあったことと思います。
毎日の送り迎え、行事へのご参加、そして家庭でのあたたかな支え。
子どもたちがこんなにも大きく、たくましく成長されたのは、皆さまのおかげです。
私たち職員は、園での一つひとつの瞬間に、愛情と笑顔が育まれていくのをそばで見てまいりました。
これから始まる新しい生活の中でも、子どもたちがその力を信じて進んでいけるよう、どうか変わらぬ見守りをお願いいたします。
本当にありがとうございました。
【保護者へのメッセージ】個人に向けたメッセージ例文(印刷・おたより用)
卒園アルバムやおたよりに添える保護者向けの個別メッセージの例文をご紹介します。お子さまの成長と、保護者の支えに対する感謝を、丁寧に綴ります。
例文①:成長と感謝を中心に
〇〇くんのご卒園、おめでとうございます。
入園当初の〇〇くんと比べると、今では見違えるほどたくましく成長されました。
保護者の皆さまが毎日変わらぬ笑顔で送り出してくださったこと、そしてどんな日もお子さまを信じて見守ってくださったことに、心より感謝申し上げます。
新しい生活が笑顔と希望にあふれるものでありますよう、私たち職員一同お祈りしております。
例文②:共に過ごした時間への感謝
この3年間、本当にありがとうございました。
遠足の集合写真でそっとお子さまの手を握っていた姿や、運動会での熱心な応援の声。どれも、私たちの心に深く刻まれています。
保育園は卒園しても、〇〇さん親子と共に過ごした時間は、私たちにとって大切な宝物です。
これからの歩みが、穏やかで幸せに満ちたものとなりますように。
卒園児の心に響く挨拶・メッセージの作り方
卒園式の主役は、もちろん子どもたちです。その子どもたちに向けて伝える園長の挨拶は、「先生からの最後のメッセージ」として、子どもの心に深く刻まれます。
ここでは、卒園児に向けた挨拶やメッセージを感動的に伝えるための基本構成と実際に使える例文をご紹介します。
基本の挨拶構成
卒園児へのスピーチは、以下のような3つの構成で考えると伝わりやすくなります。
1. 祝福とねぎらいの言葉
「卒園おめでとうございます。今日までよくがんばりましたね」など、まずは祝福と努力をたたえる言葉から始めます。
2. 思い出と成長の振り返り
園でのエピソードや成長の様子を共有することで、「見ていてくれた」という安心感に繋がります。
3. 未来への応援メッセージ
「小学校でもきっと大丈夫」「自分らしく進んでくださいね」など、前向きな言葉で締めくくると印象が良くなります。
全体を通して、やさしい言葉で語りかけることを意識しましょう。緊張している子どもにも、わかりやすく心に響く言葉になります。
得意なことに触れる
子どもたちは、自分の『得意なこと』を認められると、とても喜び、その記憶は長く心に残ります。卒園式の挨拶では、できるだけ子どもたちの得意なことや頑張ったことに触れてみましょう。
例)
「おえかきが大好きだったね」
「毎朝元気に挨拶してくれたね」
「おともだちにやさしく声をかけていたね」
「かけっこで最後までがんばっていたね」
人数が多い場合は一人ひとりを取り上げるのが難しいこともあります。
その場合も子どもたちに共通する特徴に触れることで、全体に向けたメッセージでも「自分のことだ」と感じてもらうことができます。
・「お絵かきが得意だったみんな」
・「あいさつがじょうずになったみんな」
挨拶で大切なのは子どもたちをしっかり見ていたことが伝わることです。それだけで言葉の重みが変わります。
難しい言葉を避ける
卒園児の多くは5歳から6歳です。子どもたちがわかりやすいように難しい言葉や長い文章は避けて、やさしい表現で話しましょう。
まだ漢字の読み書きに慣れていない子どもも多いため、メッセージはひらがな中心で構成するのが基本です。
・「自信を持ってがんばってください」→「自分を信じて 頑張ってね」「じぶんをしんじて がんばってね」
・「友だちと助け合ってください」→「お友達と 仲良くしようね」「おともだちと なかよくしようね」
このように子どもが自分で聞いて理解できる言葉に言いかえる工夫があってこそ、卒園児の心に響きます。
言葉を選ぶときには「子どもたちの目線で考えること」を忘れないようにしましょう。
【卒園児への挨拶】全体に向けての挨拶例文(スピーチ・式典用)
以下は、卒園式で園長が壇上から子どもたちに向けて読み上げる、全体向けスピーチの例文です。
やさしい言葉で、感謝と応援の気持ちを伝えています。
例文①:式典向けスピーチ(丁寧であたたかい語り口)
卒園生のみなさん、卒園おめでとうございます。
園に初めて来た日、ドキドキしていたことを覚えていますか?
今のみなさんは、お友だちと仲よく遊んで、あいさつも上手にできるようになりました。
お着がえも一人で頑張って、お弁当も全部食べられるようになりましたね。
みなさんの頑張りを、先生たちは毎日そばで見てきました。
本当によく頑張りましたね。
小学校に行っても、今の自分を大切にして、ゆっくり進んでください。
みなさんの笑顔が、ずっと続きますように。
例文②:話しかけ調でカジュアルに
みんな、卒園おめでとう!
楽しかったこと、頑張ったこと、たくさんあったね。
最初はちょっぴり泣いちゃった〇〇くんも、最後にはにこにこであいさつができるようになったね。
園そう会で素敵な歌を歌ってくれた〇〇ちゃんもかっこよかったよ。
これからは、小学生になるみんなを、先生たちはずっと応援しています。
新しい友だちといっぱい遊んで、楽しく過ごしてね!
【卒園児へのメッセージ】個人に向けたメッセージ例文(アルバム・寄せ書き用)
こちらは、卒園アルバムや寄せ書き、メッセージカードなどに使える個別メッセージの例文です。一人ひとりの個性や思い出に合わせて書くと、子どもにとってかけがえのない宝物になります。
例文A:がんばった姿を伝える
〇〇くんへ
おひるねがにがてだったけど、さいごまで がんばってねていたね。とっても えらかったよ!
H3例文B:得意なことを認める
〇〇ちゃんへ (←他はくん、ちゃん、ですが「さん」で大丈夫ですかね・・・)
ブロックあそびで おおきなおしろをつくったね。しょうがっこうでも、すてきなアイデアを いっぱいだしてね!
例文C:人へのやさしさをほめる
〇〇くんへ
おともだちが こまっていたとき、「だいじょうぶ?」ってこえをかけていたね。〇〇くんのやさしさ、せんせい だいすきです。
例文D:ユーモアをまじえた思い出メッセージ
〇〇ちゃんへ
「せんせい、きょうはあめだね〜」って いつもおてんきリポートをしてくれたね。しょうがっこうでも、おともだちに いろんなことを おしえてあげてね!
これらのメッセージは、短くても大丈夫です。その子だけに向けた言葉を入れるだけで、「わたしのことをちゃんと見てくれていた」と子どもは感じてくれます。
忙しい園長が効率よく準備する方法
挨拶を一から完璧に仕上げようとすると、時間がかかってしまいます。そこでおすすめなのが、「構成のテンプレート化」+「過去の記録の活用」です。
また、「うまく話せるか不安」「どのくらいの長さがちょうどいいのかわからない」
卒園式の園長挨拶を準備する中で、こんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
ここでは忙しい園長先生でも実践しやすい工夫と、緊張せずに話すコツや言葉選びのポイントなどをご紹介します。
構成をテンプレート化する
以下の方法なら、30分程度で「伝わる」挨拶の草案を作ることができます。原稿が完成したら、職員に読んでもらい客観的な感想を聞くのも有効です。
1. まずは「基本構成」をメモに落とします
例:「あいさつ→思い出→感謝→応援の言葉→締め」
2. 過去の行事記録や園だよりを確認し、エピソードを抽出します
運動会や保育参観、遠足など、子どもたちとの印象に残った出来事をピックアップします。
3. 抽出した内容を構成に当てはめ、短い文で繋げていきます。
構成に沿って箇条書きで埋めていき、少しずつ内容を膨らませていきましょう。
長すぎず、短すぎない時間の目安
卒園式での園長挨拶は、2〜3分程度が目安です。文字数で言えば、およそ600〜800文字ほどがちょうどよい長さです。
長すぎると子どもが集中力を失い、短すぎると物足りなく感じられることがあります。
以下を参考に構成を組み立てましょう。
・導入(感謝や労い)…30秒
・思い出やエピソード紹介…1分
・未来への応援・まとめ…1分
内容は簡潔にまとめ、言いたいことを絞り、1つひとつの言葉を丁寧に届けるよう意識しましょう。
声のトーンや話す速度に気を付ける
感動的な内容でも、早口や棒読みにしてしまうと気持ちは伝わりにくくなります。ポイントは「ゆっくり・はっきり・やさしく」話すことです。
・文末は語尾を上げず、丁寧に言い切る
・感情を込めたい部分では、少し間を取る
・子どもを見ながら話すタイミングを作る
また、子どもや保護者に伝えるときは、視線を文章から外して顔を上げる場面を意識的に作ると、温かさがより伝わります。
リハーサルをして緊張を和らげる
本番に緊張しないためには、声に出して練習することが一番効果的です。声に出すことで、自分のスピードや抑揚のクセがわかります。
・録音して聞き直す
・職員に聞いてもらう
・鏡の前で表情を確認する
2〜3回声に出して練習するだけでも、自信がつきます。原稿を読み上げるのではなく、「語りかける」イメージを持つと、表現に温度が生まれます。
避けるべき言葉・構文のNG集
最後に、卒園式の挨拶で避けた方がよい言葉や表現をご紹介します。
・ネガティブな表現や否定語
「だめだったけれど、いまは…」→「最初はできなかったけれど、いまは〜」
言いかえることで、ネガティブな表現を避ける事ができます。
・難しい言葉や抽象的な表現
「感銘」「目覚ましい成長」などの硬い表現は避け、やさしく具体的な言葉を選びます。
・園や個人の評価が偏る内容
特定の子だけを褒めすぎると、他の保護者が気にされることもあります。全体と個別のバランスに配慮しましょう。
卒園式での挨拶を成功させるために【まとめ】
保育園で働く園長先生や保育士の皆さまが、卒園式を通じて「子どもたちの卒園をあたたかく見送りたい」「保育園の魅力を次の世代につなげたい」といった想いに応えるため実践的な例文と準備のポイントをまとめました。
卒園式の園長挨拶は、子どもたちの門出を祝うだけでなく、保護者の心にも深く残る大切なメッセージです。
「難しそう」「時間がない」と感じる方も多いかもしれませんが、基本の構成に沿って、素直な言葉で綴れば、必ず気持ちが伝わる挨拶ができます。
そしてなにより、園長先生自身が「祝福を伝えたい」という気持ちを持って臨めば、それだけで十分に温かいスピーチになります。
卒園式は、子どもたちが成長を実感し、自信を持って次の一歩を踏み出すための出発点です。同時に、園としては新たな一年の始まりを迎える大事な節目でもあります。
保育現場で働く皆さまが笑顔で新年度を迎えられるよう、この記事を読んで、卒園式準備にお役立てください。
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卒園式の準備と同時に、採用活動の効率化も進めていきましょう。

【執筆者情報】
上杉 功(うえすぎ いさお)株式会社チポーレ代表取締役。
保育士の採用や園児集客をサポートするサービスを展開中。保育士や園長の負担軽減と保育の質の向上を目指し、現場に即したサービスや情報発信を日々行っております。