保育現場で取り入れたいボディペインティング|ねらい・準備・遊び方・注意点

保育の中で、子どもたちが思いきり体を使って楽しめる遊びを取り入れたいと感じることはありませんか。
ボディペインティングは、絵の具の感触や色の変化を全身で味わえる、開放感のある表現遊びです。
この記事では、保育園でボディペインティングを行う際に知っておきたい「ねらい・準備・遊び方・発展アイデア・注意点」を、実践イメージが湧くように紹介します。
目次
ボディペインティングとは
まずは、ボディペインティングがどのような遊びなのか、基本の考え方を押さえておきましょう。
ボディペインティングとは、絵の具を体に直接つけて楽しむ表現遊びです。
紙に描く活動とは違い、手や足、腕、体全体を使って「触って感じる」「動いて広げる」体験が中心になります。完成度よりも、感触や色の変化を味わう過程を大切にできるのが特徴です。
ボディペインティングを行うねらい
ボディペインティングは感触遊びとして楽しいだけでなく、子どもの育ちにつながるねらいも含んでいます。
体を大きく動かしてのびのび遊ぶ
ボディペインティングでは、手や指だけでなく、腕を伸ばしたり足でスタンプをしたりと、自然に体全体を使った動きが生まれます。
普段の保育では「汚れないように」と声をかける場面も多い中、この活動は思いきり体を動かせる貴重な機会です。
絵の具の感触を楽しみながら大胆に動くことで、子どもは解放感を味わい、「やってみたい」「楽しい」という気持ちをのびのび表現できます。
保育者は危険がないかを見守りつつ、子どもが自由に動けているかに目を向けることが大切です。
自由な発想で表現する力を育む
ボディペインティングには完成形や正解がなく、どこに色をつけるか、どんな広げ方をするかは子ども自身が決めていきます。そのため、評価を気にせず、自分なりの表現を安心して楽しめます。言葉で気持ちを伝えるのが難しい子どもにとっても、色や動きを通して思いを表す大切な機会になります。
保育者は結果を評価するのではなく、「楽しいね」「面白い色だね」と過程に目を向けた声かけを意識するとよいでしょう。
色に触れながら色彩感覚を養う
絵の具を混ぜたり水で薄めたりする中で、色が変化していく様子を実際に体験できるのも、ボディペインティングの魅力です。「混ざる」「広がる」といった変化を、目で見て感じることができます。「この色とこの色を混ぜたらどうなる?」といった気づきは遊びの中で自然に生まれ、色への興味や感覚を育てます。
保育者は答えを教えるのではなく、子どもの発見に共感しながら見守ることが大切です。
大盛り上がり!ボディペインティングの遊び方

ここでは、保育園で実践しやすい基本の準備と進め方を、活動の流れに沿って紹介します。
必要なもの一覧
ボディペインティングを安心して行うためには、事前の準備が欠かせません。
以下のものをあらかじめ揃えておくと、活動から片付けまでスムーズに進められます。
・水性絵具(肌への刺激が少ないものを選びます)
・筆、ハケ
・紙皿(絵具を出すパレット代わりとしハケ用します)
・模造紙、画用紙
・ブルーシート(床や周囲が汚れないように敷きます)
・着替え
・タオル
・ウェットティッシュ
・ぞうきん
・洗い流し用のシャワー、たらい
・水(洗い流し・調整用)
これらを準備する際は、「遊ぶ時間」だけでなく、活動後に体を洗い、着替えるまでの流れをあらかじめ想定しておくことが大切です。
事前に動線を確認しておくことで、活動後も慌てずに対応できます。
基本の進め方と楽しみ方
最初は、いきなり全身に絵の具を使うのではなく、手や指先から始めると子どもも安心して参加できます。絵の具に触れる感触や冷たさを感じながら、少しずつ遊びに慣れていきましょう。慣れてきたら、腕や足、模造紙へのスタンプなどへ広げていきます。途中で「どんな感じ?」「冷たいね」など、感じたことに寄り添う声かけをすると、遊びが深まりやすくなります。
遊びが広がる!ボディペインティングの発展アイデア

基本の遊びに慣れてきたら、少し工夫を加えて活動を広げてみましょう。
手や足に絵の具をつけて、画用紙や模造紙にぺたっと押してみる
手や足に絵の具をつけて、画用紙や模造紙に押してみることで、ボディペインティングを製作遊びへと発展させることができます。
自分の手形や足形が形として残ることで、子どもは達成感を感じやすくなります。「さっき体につけた色が、紙に写るとこんな形になるんだね」と声をかけると、遊びと製作のつながりにも気づきやすくなります。掲示したり持ち帰ったりすると、保護者にも活動の様子を伝えやすくなります。
友だちの背中や腕に、筆や手でそっと色を塗ってみる
背中や腕など広い部分を使って色を塗る遊びは、色をのばす感覚や塗り広げる楽しさを味わえる活動です。
一人では難しい部分も、友だちと関わりながら行うことで自然とやりとりが生まれます。「ここ塗っていい?」「くすぐったいね」などのやりとりは、相手を意識する経験にもつながります。保育者は力加減や相手の気持ちに配慮できているかを見守り、必要に応じて声をかけましょう。
たらいの水に絵の具を溶かして、色が広がる様子を見てみる
たらいに水を張り、絵の具を溶かしてみると、色が広がったり混ざったりする様子をじっくり楽しめます。
体についた絵の具を洗い流す前の導入として取り入れるのもおすすめです。「さっき使った色が水に入るとどうなるかな?」と問いかけることで、子どもは自然と変化に目を向けます。遊びの中で行う簡単な実験のような体験は、好奇心を刺激し、活動に深みを持たせます。
感触の違いを楽しめる素材を取り入れてみる
ボディペインティングは、絵の具だけでなく、素材を変えることで遊びの幅をさらに広げることができます。
たとえば、水のりや小麦粉を水で溶いたものは、とろっとした独特の感触があり、絵の具とは違った触り心地を楽しめます。
素材が変わることで、子どもは「同じ塗る遊びでも、触った感じが違う」「伸び方が違う」といった新たな気づきを得やすくなります。
視覚だけでなく、手の感覚に意識が向くため、感触遊びとしての要素もより強まります。
ただし、小麦粉などの食品由来の素材を使用する場合は、アレルギーの有無を事前に確認し、使用する子どもを慎重に判断することが大切です。
年齢や子どもの様子に合わせて無理のない形で取り入れ、安心して楽しめる環境を整えましょう。
泡やシャワーを使って、体についた絵の具を洗い流す
活動の終わりに泡やシャワーを使って体についた絵の具を洗い流すと、片付けの時間も遊びの一部になります。
「洗う時間=楽しい時間」にすることで、活動の切り替えがスムーズです。泡の感触を楽しんだり水の流れを感じたりする中で、気持ちを落ち着かせる効果も期待できます。安全に配慮しながら、最後まで心地よく活動を終えられるようにしましょう。
年齢や様子に合わせて、手や体の使い方を変えてみる

安心して活動を行うために、事前に確認しておきたいポイントを整理します。
絵の具や肌トラブルに配慮し、事前に体調やアレルギーを確認する
ボディペインティングでは絵の具が直接肌に触れるため、事前の確認が欠かせません。水性絵の具を基本にしつつ、体調や皮膚の状態に問題がないかを把握しておきましょう。少しでも不安がある場合は参加を控えたり、手だけの参加にしたりする判断も必要です。「安全に楽しむ」ことを最優先に考えた準備が、落ち着いた活動の土台になります。
誤って口に入れないよう、年齢や発達段階を考えて行う
低年齢児は手から口へ運ぶ動きが多く、絵の具を誤って口に入れる心配があります。
年齢や発達段階を踏まえ、使用する量や塗る範囲を調整することが大切です。必要に応じて手だけに限定したり、個別に見守ったりするなどの工夫を行いましょう。子どもの様子をよく観察しながら、無理のない形で取り入れることがポイントです。
実施日や内容を事前に知らせ、保護者の理解を得ておく
ボディペインティングは衣服や体が汚れる活動のため、事前に保護者へ伝えておくことが重要です。
実施日や内容、持ち物、汚れの程度の見込みを共有しておくと、保護者も安心して準備できます。
活動のねらいや、園としてどのような配慮を行うのかを伝えることで、信頼づくりにもつながります。丁寧な事前説明が、スムーズな実施を支えます。
保育士自身が楽しむ姿勢で、子どもの興味を引き出す
保育者が楽しそうに関わることで、子どもは安心して活動に参加しやすくなります。
「先生もやってみようかな」と一緒に楽しむ姿は、子どもにとって大きな後押しになります。
一方で、無理に盛り上げようとせず、子どもの反応に合わせた関わりを意識することも大切です。自然な関わりが、活動全体の雰囲気をやわらかくします。
汚れることに抵抗がある子には、見守りや別の関わり方を選ぶ
汚れることが苦手な子どもにとって、ボディペインティングは不安を感じやすい活動です。
無理に参加を促すのではなく、見ているだけの参加や、筆を使った表現など別の関わり方を用意しましょう。「今日は見ているだけでもいいよ」と伝えることで、子どもは安心してその場にいられます。気持ちを尊重する関わりが、次につながる参加意欲を育てます。
まとめ|ボディペインティングは「安心」と「楽しさ」のバランスが大切

ボディペインティングは、子どもたちが全身を使って表現を楽しめる、特別感のある遊びです。安全への配慮や事前準備、子ども一人ひとりに合わせた関わりを意識することで、子どもの育ちにつながる活動になります。
また、こうした日々の保育の取り組みや工夫は、園が大切にしている考え方そのものです。活動のねらいや背景を分かりやすく伝えていくことは、保護者の安心感や園への信頼につながります。
株式会社チポーレでは、保育園・幼稚園の取り組みや想いを、LINE公式アカウントやホームページなどを通じて分かりやすく届けるサポートを行っています。園の魅力を丁寧に伝えていきたいとお考えの際は、ぜひご相談ください。

【執筆者情報】
上杉 功(うえすぎ いさお)株式会社チポーレ代表取締役。
保育士の採用や園児集客をサポートするサービスを展開中。保育士や園長の負担軽減と保育の質の向上を目指し、現場に即したサービスや情報発信を日々行っております。




