フリーランス保育士とは?年収・働き方・メリットデメリットをわかりやすく解説

保育の仕事は好きだけれど、「今の働き方をこのまま続けられるだろうか」と不安を抱える保育士は少なくありません。 

行事準備や書類作成など、日々の業務量の多さから、働き方そのものを見直したいと考える人も増えています。 

そんな中で注目されているのが「フリーランス保育士」という働き方です。最近SNSやメディアでも目にすることが増え、「自由に働けるらしい」というイメージだけが先行しがちですが、実際はメリットと同じくらい、理解しておくべき注意点もあります。本記事では、フリーランス保育士の働き方・年収・メリットデメリットを、初めて知る人でも理解できるようにわかりやすく解説します。 

目次

フリーランス保育士とは? 

フリーランス保育士とは、保育士資格を持ちながら、保育園や企業、家庭などと「業務委託契約」を結んで働く人のことです。正社員のように決まったシフトに縛られず、自分のペースで仕事を選べるのが大きな特徴です。 

正社員・派遣・パートとの違い(簡単にわかりやすく) 

フリーランス保育士と、正社員・派遣・パートの一番の違いは契約の種類 です。 

正社員やパートは園と「雇用契約」を結びます。そのため勤務時間・仕事内容・お休みのルールなどは園が決め、保険や手当も園側が手続きや支払いをします。 

一方でフリーランス保育士は「業務委託契約」で働きます。雇用主は園ではなく自分自身のため、働く日・時間・報酬は、自分で案件ごとに決められます。同様に社会保険・税金・事故対応などの管理もすべて自分で行う必要があります。 

「自由度が高いぶん、自分でやることも増える働き方」これがフリーランス保育士の大きな特徴です。 

働き方 契約形態 働き方の自由度 収入の安定性 保険・税金 シフトの決まり方 
正社員 雇用契約 ★☆☆(低め) ★★★(高い) 会社が加入 園が決める 
パート 雇用契約 ★★☆ ★★☆ 会社が加入 希望と園の都合 
派遣 雇用契約(派遣会社) ★★☆ ★★☆ 派遣会社が管理 派遣先に準じる 
フリーランス 業務委託契約 ★★★(とても高い) ★☆☆(不安定) 自分で管理 自分で案件を選ぶ 

フリーランス保育士としての働き方 

仕事先は保育園だけでなく、企業やご家庭など、様々な場所での活躍が可能です。ここでは、実際にフリーランス保育士がどんな働き方をしているのかをわかりやすく紹介します。 

ベビーシッター/一時預かり 

ベビーシッターや一時預かりは、フリーランス保育士の中でも特に人気の働き方です。依頼された家庭に訪問し、短時間〜長時間の保育を行います。 

【実際の事例】 

・都内では、1時間あたり2,000〜3,500円ほどの案件が多い 

・「土日だけ」「夕方だけ」など短時間の働き方も可能 

・保育経験を求める家庭が多く5年以上の経験がある保育士は特に需要が高い。 

また、ベビーシッターの事業は利用するマッチングサービスによっては「内閣府ベビーシッター割引券」の対象になるケースもあり、利用者(家庭)にとって負担が軽くなる制度があるため、今後も依頼が増えやすい特徴があります。

参考:内閣府ベビーシッター割引券 

保育園・企業主導型のスポット勤務 

フリーランス保育士は、保育園の「人手が足りない日」だけ入る働き方もできます。行事前や職員の急なお休みなど、スポットでの依頼が多いのが特徴です。 

特に預かり保育や土曜日など、通常の募集では集まりにくい時間帯にニーズが高く、逆に9〜15時の“中番”は需要が少ない傾向にあります。 

また、派遣会社では単発派遣を扱っていないことも多いため、スポット勤務はフリーランスならではの働き方と言えます。(※日雇い派遣は年収制限・年齢制限があるため) 

報酬は時給1,200円~1,400円前後、日給に換算すると1万〜1.5万円のことが多く、単価が高い仕事がしたいというよりも、「保育園の仕事を続けたい」「空いた時間だけ保育に入りたい」という人に向いています。 

発達支援・保育サポート等の専門分野 

フリーランスの中には、保育経験を活かしながら 専門分野で働く人 もいます。 

【実際の事例】 

・発達支援が必要な子の個別サポート 

・特技を活かした療育プログラムの提供 

・放課後等デイサービスの短時間サポート 

発達支援に関わる仕事は「児童発達支援ガイドライン(こども家庭庁)」などの方針に基づいて運営されており、誰でもできる仕事ではありません。そのため、特に児童発達支援施設で働いた経験がある保育士は優先されやすいです。 

参考:「児童発達支援ガイドライン(こども家庭庁)

保育系ライターなどの他職種へ転身 

フリーランス保育士の働き方は、「保育をする」だけではありません。資格や経験を活かして、保育系のライター・監修者・SNSサポートなど、“保育知識を使う仕事”に転身する人も増えています。 

【実際の事例】 

・保育メディアの記事を書く 

・絵本や玩具のレビューを書く 

・園のSNS企画や広報のコンサルティング 

・研修講師としての登壇 

文章を書く仕事は在宅でできるため、「保育の現場が好きだけど体力的に厳しい」という人にも人気があります。企業から依頼を受けてコンテンツ記事を作成することもあれば、自身のSNSで発信し、広告収入を得るといった働き方も可能です。 

フリーランス保育士の年収と収入の目安 

フリーランス保育士の年収は、働く日数や仕事内容によって大きく変わります。正社員のように毎月決まった給料ではないため、「どれくらい稼げるの?」と不安に思う人も多いでしょう。ここでは、実際の報酬相場をもとに、年収の目安と収入が変動する理由をわかりやすく解説します。 

相場(時給・日給・案件単価) 

フリーランス保育士の報酬は、仕事内容によって大きく差があります。 
一般的な保育園勤務の時給(1,200〜1,400円)と大きく変わらないケースもありますが専門性が必要な仕事ほど単価が高くなる傾向があります。 

仕事内容 時給・日給の相場 安定性(依頼の継続性) 特徴 
ベビーシッター・一時預かり 時給 2,000〜3,500円 ★★★☆☆(家庭による) 時間の自由度が高い。経験者に人気。 
保育園のスポット勤務 時給1,200円~1,400円 ★☆☆☆☆(単発中心) 行事前や突発欠勤対応など短期が多い。 
発達支援・個別支援 1回10,000円~20,000円 ★★★☆☆(継続しやすい) 特に療育プログラムなど継続性が必要なものはリピートになりやすい。 
放課後等デイサービス補助 時給1,200円~1,600円 ★☆☆☆☆(単発中心) 突発欠勤対応など短期が多い。 
保育系ライター等 1記事 3,000〜7,000円(文字単価1~3円) ★★★☆☆(実績次第) 在宅で可能。専門知識があるほど有利。 

まずは「どれくらいの収入を得たいのか」を考え、その金額に合った働き方を考えましょう。スポット勤務は自由度が高い反面、依頼が続かない時期もあるため、専門性のある仕事や在宅の副業など、複数の働き方を持っておくと収入が安定します。 

フリーランス保育士のメリット 

フリーランス保育士には、保育の仕事は好きだけれど、「もっと自分のペースで働きたい」「得意なことを活かしたい」という人にとって、メリットが大きい働き方です。ここでは、実際にフリーランスを選んだ人が感じている代表的なメリットを紹介します。 

働く時間・場所の柔軟性 

フリーランス保育士の最大のメリットは「自由度の高さ」です。仕事をする日時や働く場所を自分の生活スタイルに合わせて決められます。 

【実際の例】 

・保育園勤務は続けつつ、土日だけベビーシッターの依頼を受ける 

・平日は発達支援で療育プログラムを行い、土曜日はキャリアアップ研修の講師をする 

・午前中は保育、午後は在宅でライター業務 

このように、「一つの勤務先に縛られない」働き方が可能です。子育て中の人や、家族の都合に合わせて働きたい人にも選ばれやすく、「保育の仕事は好きだけど、毎日のシフトはきつい」という人が新しい選択肢として利用しています。 

自分の得意分野を活かせる 

フリーランス保育士は、自分の得意なことや好きなことを中心に仕事を選べます。 

【得意を活かす働き方の例】 

・乳児保育が得意 → 0〜2歳向けの家庭訪問や一時預かり 

・秀でた一芸がある → 音楽教室や体操教室などのセミナー運営・外部講師 

・発達支援に興味がある → 発達支援施設のサポートや療育プログラムの開発 

・文章が得意 → 保育系ライター・レビュー記事作成 

園勤務だと、配属先や仕事内容を自分で決められないことが多いですが、フリーランスは、得意な分野を仕事にしやすい点が魅力です。 

収入アップの可能性 

フリーランス保育士は、経験の積み重ねや口コミの広がり、新しい資格の取得などによって“自分の市場価値”が上がるほど、同じ仕事内容でもより高い単価の依頼を受けやすくなります。働き方そのものが評価につながるため、努力が収入に反映されやすい点も大きな魅力です。 

【収入が上がるケースの例】 

・自分にしかできない講座を開く 

・発達支援や専門性の高いサポートを担当する 

・早出や遅出、土日勤務などの需要が高い時間帯に働く 

・依頼元からのリピートが増える 

・複数の働き方を組み合わせる(例:平日発達支援+週末ベビーシッター) 

・SNS発信が伸びて広告収入が得られる 

このように、“ほかの人にはない強みや魅力” をつくることで、より高単価の案件に応募できたり、企業や家庭から選ばれやすくなります。「自分のペースで働きながら収入も上げたい」という人にとって、フリーランスは大きなメリットがある働き方です。 

フリーランス保育士のデメリット 

フリーランス保育士は魅力的な働き方です。一方で、会社に守られて働く正社員とは違い、自分で管理しなければいけないことも増えます。ここではフリーランス保育士が知っておきたいデメリットや注意点をわかりやすく解説します。 

収入の不安定さ 

フリーランスの働き方でまず知っておきたいのが、収入が安定しにくい ことです。自分の希望するシフトと、依頼側が求める時間帯が必ずしも一致するとは限らず、働ける日数にばらつきが出ることがあります。そうすると収入に関してもばらつきが出てしまいます。 

また、フリーランスは雇用されていないため、賞与や寸志の支給はありません。正社員のように有給休暇もなく、「体調不良で1週間休む=その期間の収入はゼロ」という状況になります。 

スポット勤務は自由度が高いものの、単発の依頼が中心で年間を通しては安定しづらい働き方 と言えます。 

社会保険・税金の自己管理 

フリーランスは「個人事業主」として働くため、社会保険・税金の手続きもすべて自分で行う必要があります。 

【主に必要な手続き】 

国民健康保険への加入 

国民年金の支払い 

所得税の確定申告 

住民税の支払い 

厚生労働省の「雇用と契約に関するガイドライン」でも、業務委託契約は労働者ではなく“事業主”として扱われるため、園に雇われている職員のように、園の労災保険や社会保険の加入対象になるわけではありません。 

一方で、フリーランス保育士は、自分で国民健康保険や国民年金に加入し、必要に応じて労災保険の特別加入などを検討することになります。これまで園や会社が担当していた手続きも自分で行う必要が出てくるため、慣れるまでは大変ですが、会計ソフトを使ったり、税理士に相談したりすることで負担を減らすことができます。 

事故・トラブル時の責任リスク 

フリーランス保育士が特に気をつけたいのが、「万が一の事故が起きたとき、誰が責任を負うのか」 という点です。園や会社に雇われている場合は、トラブル時の対応は園が主導で行うことが多いですが、フリーランスの場合は契約内容によって対応が変わります。 

【よくあるトラブルの例】 

子どもが遊んでいて怪我をした 

家庭訪問した家の物が壊れた 

保護者との認識違いからトラブルになった 

送迎時にトラブルが発生した 

契約書に「責任の範囲」「対応方法」「連絡体制」が明記されていないと、トラブルが長引いたり、フリーランス側に不利益が生じることもあります。場合によっては賠償責任を負う可能性もあるため、注意が必要です。 

保険・補償対応 

事故やトラブルに備えて、保険加入はほぼ必須と言えるレベル になっています。家庭訪問や個別支援などの仕事では、目の届かないリスクが多いため、万が一に備える安心材料になります。 

【加入を検討する保険の例】 

個人賠償責任保険 

業務中の事故補償(民間保険) 

ベビーシッター用の損害保険(事業所によって加入可能) 

保険に加入していることで、依頼する園や家庭からの信頼にもつながり、結果的に仕事の依頼が増える傾向があります。 

フリーランスは“自分の評判=次の仕事につながる鍵”のため、安心して依頼してもらえる環境づくりが重要です。 

フリーランス保育士になるには 

フリーランス保育士として働くために、特別な資格や許可が必要になるわけではありません。 

ただ、スムーズに仕事を受けられるように、最低限そろえておきたい準備や、独立までのステップがあります。ここでは、はじめてフリーランスを目指す人がやるべきことを、順番にわかりやすくまとめました。 

必要な準備 

フリーランスとして働く前に、まずは仕事を受けられる状態に整えることが大切です。 

自分の強み・経験を整理する 

仕事内容の決定や、効率的に依頼を獲得するためにも、まずは自分がどんな経験をしてきたか整理しておきましょう。特にフリーランスは、自分の得意分野を明確にアピールした方が仕事を受けやすくなります。 

【整理しておくと良い内容】 

・何歳児の担当経験があるか 

・得意な活動(制作・乳児保育・発達支援など) 

・付加価値の創出(個別支援、リトミックなどの教育経験、送迎の有無など) 

・働ける時間帯や曜日、日・週の稼働時間など 

必要な準備をそろえる 

仕事を受ける際に必要になるものを、事前にそろえておきましょう。フリーランス保育士は自分で依頼主とやり取りをするため、最低限の連絡環境も必要です。 

【主な準備物】 

保育士証 

仕事用のスマホ・メールアドレス 

プロフィール資料(実績・経験まとめ) 

【必要に応じて必要なもの】 

・SNSなどの広報手段 

・必要な保険への加入 

プロフィールは、家庭訪問の依頼やスポット勤務で特に重要です。「どんなメリットを提供できる人なのか」をアピールすることで依頼を受けやすくなります。 

開業手続き(個人事業主になる) 

資格さえあれば、開業届を出さなくてもベビーシッターやスポット勤務の仕事は始められます。ただ、開業届を出しておくと手続きがスムーズになり、税金や経費管理がしやすくなるメリットがあります。 

仕事が増えてくると、確定申告や収入管理が必要になるため、実際には多くの人が開業届を提出して個人事業主として活動しています。 

【開業までの流れ】 

・仕事の内容を決める 

・稼働できる時間帯を設定 

・税務署へ「開業届」を提出 

・必要に応じて「青色申告承認申請書」を提出 

・会計ソフトを準備する 

仕事内容と単価設定の決め方 

前の章で紹介したように、フリーランス保育士にはベビーシッター・スポット勤務・発達支援・ライターなど、さまざまな働き方があります。まずはこの中から、「どの働き方を中心にするか」 を決めるところから始めましょう。 

選ぶときは、次の視点が参考になります。 

・自分の得意なこと 

・世間の流行りや需要 

・働きたい時間帯 

・将来のキャリア 

・収入の安定性(どれくらい稼ぎたいか) 

この4つを踏まえて、自分だけの “メニュー(働き方の組み合わせ)” をつくるイメージです。 

働き方が決まったら、次に必要なのが 契約内容の確認 と 単価設定の決め方 です。 

① 契約で必ず確認すべきポイント 

フリーランスは業務委託契約で働くため、契約内容や責任範囲を明確にしていないと後でトラブルにつながります。 

【契約で確認しておくこと】 

・業務範囲(どこまでが自分の仕事か) 

・報酬額・支払い日・支払い方法 

・キャンセル規定 

・送迎の有無や範囲 

・緊急時の連絡方法 

・保険の適用範囲 

・個人情報の扱い 

特にベビーシッターや家庭訪問の仕事では、「どこまで責任を負うのか」 が曖昧だとトラブルになりやすいです。契約は口頭ではなく、必ずメッセージ・書面で残せるように契約書を作成しておきましょう。 

②単価を決める 

単価は 「地域の相場 × 自分の経験・専門性」 をもとに決めます。地域の相場に関しては、次のような方法で確認していきましょう。 

ベビーシッターアプリの料金設定を一覧で見る 

派遣会社・求人サイトの保育補助の時給を見る 

SNSで活動しているフリーランス保育士の料金表を参考にする 

スキル販売サイトなどで同業社の単価を確認する 

複数の情報を比べると 「自分の地域の適正価格」 が見えてきます。その上で、最初は相場より低いモニター価格で設定をして実績を集めるなど、単価は最初から高く設定しすぎるより、評価やリピート依頼が増えてきた段階で上げていく方が自然です。 

フリーランス保育士の求人の探し方 

フリーランス保育士として活動を始めたら、次は「どのように仕事を見つけるか(依頼を獲得するか)」が大切になります。 

ここでは、フリーランス保育士が実際に利用している求人や依頼の探し方を紹介します。 

ベビーシッターマッチングサービスを活用する 

ベビーシッターや家庭訪問の仕事を探す際に便利なのが、マッチングサービスです。 

自分のプロフィールを登録しておけば、家庭から直接依頼が届くため、フリーランス保育士にとっては最も手軽な方法の一つです。 

【メリット】 

・空いた時間だけ働ける 

・希望条件に合わせた依頼が届きやすい 

・料金設定を自分で決められる 

・プロフィールを見た家庭から直接依頼が来る 

【注意点】 

・プロフィールの作り込みで依頼数が大きく変わる 

・個人賠償責任保険の加入を求められる場合がある 

・家庭訪問のためトラブル時の責任範囲を明確にする必要がある 

・特に都内では、「夕方のみ」「土日のみ」の依頼が多い 

既存のプラットフォームを利用することで集客の手間が省けるため、一番最初に始めるのに最も適しています。 

保育園・企業主導型のスポット求人を探す 

保育園や企業主導型保育園では、急な欠員や行事の前など、一時的に人手が足りない日にスポット求人が出ることがあります。多くの園では派遣会社を通して単発依頼を出すことは少なく、フリーランス保育士に直接依頼した方が調整しやすいという背景があります。 

【探し方の例】 

・求人サイトで「単発」「スポット保育士」と検索 

・地域の保育園に直接問い合わせる 

・園のSNSやホームページのスタッフ募集欄をチェック 

・園で働く知人から紹介してもらう 

【メリット】 

・保育園経験が活かせる 

・1日あたりの報酬が高い 

・園の雰囲気を見ながら働ける 

【注意点】 

・依頼の時期に波がある 

・9〜15時など中番時間帯は募集が少ない 

・園によって仕事内容の幅が異なる 

スポット勤務は「園で働く楽しさ」と「自由な働き方」のどちらも叶えやすい働き方です。ただし募集自体は多くないので、日ごろから求人が上がるメディアを探しておき、新規依頼時には通知がくるように設定しておきましょう。 

SNSやポートフォリオで自分から発信する 

近年増えているのが、SNSを使って自分の活動を発信し、直接依頼を受ける方法です。 

特にInstagramやXでは、保育の知識・遊びのアイデア・働き方の情報を発信しながら、自分の強みを発信するフリーランスが増えています。 

【メリット】 

・自分の得意分野をアピールしやすい 

・企業や保育園から直接オファーが来ることもある 

・在宅でのライター案件につながることも 

【発信のコツ】 

・担当してきた年齢ごとの経験や工夫を紹介 

・遊びのアイデアや保育の知識をまとめる 

・発達支援や個別支援のエピソードを投稿 

・定期的に更新して「活動中」であることを伝える 

SNSでの発信は、依頼だけでなく「講座の開催」「保育の監修」「企業からのPR依頼」など幅広い仕事につながるケースが多いです。まずは無料で始められる一番手軽な広報活動として、マストで開設することをお勧めします。 

フリーランス保育士の働き方の注意点とトラブル防止策 

フリーランス保育士として安心して働き続けるためには、トラブルを防ぐための準備がとても大切です。ここでは、仕事の受け方や保護者・園とのやり取りで気をつけたいポイントをまとめました。 

依頼内容の確認と事前のすり合わせ 

フリーランス保育士のトラブルで最も多いのが、「依頼主とのすれ違い」です。家庭ごとのルールや価値観の違いから、思わぬ行き違いが起こることがあります。 

【実際にあったトラブル例】 

・“病後児保育もお願いできると思っていた” と当日に言われた 

・食事対応の範囲が共有内容と違っていた 

・送迎ルートの認識違いで注意を受けた 

・園補助の依頼で事務作業が多く戸惑った 

これらの多くは、悪意ではなく “認識の差” から生まれます。家庭や園によって「当たり前」が異なるため、言葉だけでは意図が伝わりづらいことが理由です。スポット勤務など毎回環境が変わる働き方では、特にすれ違いが起きやすくなります。契約書だけでなく ヒアリングシートで聞くべき内容を整理しておき、稼働前に文章として残すことで「言った・言わない」のトラブルを防げます。 

フリーランスは現場が毎回変わるからこそ、最初のすり合わせが安心して働くための鍵になります。 

守秘義務と個人情報の取り扱い 

フリーランス保育士のトラブルで意外と多いのが「個人情報の扱い」です。園や家庭の情報に触れる場面が多いため、知らないうちに守秘義務違反になるケースもあります。 

【実際にあったトラブル例】 

・SNS投稿の背景に家庭の私物が写り込み特定された 

・写真送付時に別家庭の画像を誤送信した 

・家庭で聞いた情報を他者に話してしまった 

「どの情報が守秘義務に当たるのか」が曖昧なまま働くと、意図せず過失が生まれる可能性があります。特に家庭訪問やシッター業務では、プライバシーに関わる情報に触れる機会が多いため注意が必要です。 

写真は必ず許可を得る、SNS投稿は匿名化する、誤送信を防ぐ仕組みをつくるなど、個人情報の扱いルールを事前に決めておくこと がとても重要です。 

万が一の事故・トラブル時の対応ルール 

フリーランス保育士として働くうえで避けられないのが、「万が一の事故」への備えです。園や会社に雇われている場合とは異なり、自分自身が対応することになるため、対応ルールが曖昧なままだと大きな問題につながることがあります。 

【実際にあったトラブル例】 

・子どもが遊んでいて転倒し、軽いケガをした 

・家庭訪問中に家具やおもちゃが破損した 

・報告のタイミングが遅れ保護者から指摘を受けた 

・園での補助業務で想定外の危険場面に対応することになった 

こういったトラブルを避けるためにも、ケガの報告方法、緊急連絡先、補償範囲など最小限の対応ルールを事前に共有しておくこと がとても重要です。メッセージで一度確認しておくだけで、トラブル後の対応がスムーズになります。 

また、園の保険に加入していないフリーランス保育士は、個人賠償責任保険の加入 が安心材料になります。事前に伝えておくことで依頼主からの信頼にもつながります。 

フリーランス保育士は、自分の強みを活かしながら働き方を自由に選べる魅力的な働き方です。確かに準備やノウハウは必要ですが、ポイントを押さえれば無理なく進められます。不安を一つずつ解消しながら、あなたに合ったフリーランスという働き方も検討してみましょう。 

園側から見たメリット・デメリット 

フリーランス保育士は、働く側だけでなく「保育園側にとっても利用しやすい働き方」です。人手不足が続くなか、柔軟に働けるフリーランス人材を取り入れる園が増えています。一方で、園側が事前に理解しておきたい注意点もあります。ここでは、園が感じやすいメリット・デメリットをまとめました。 

園側から見たメリット 

園側にとってフリーランス保育士を活用するメリットは、主に「必要なときにだけ依頼できること」です。採用難が続く中、「雇用ではない人材確保の選択肢」として注目されています。以下は、実際に園から聞かれる声をもとにしたメリットです。 

メリット例 

・採用が難しい時間帯をピンポイントで埋められる 

 → 早番・遅番・土曜など、求人では最も集まりにくい時間に柔軟に依頼できる 

・学生アルバイトでは補いにくい“即戦力”を確保できる 

→ 保育士資格もちで、短時間からでも園にすぐ慣れて動ける 

・行事前・繁忙期の負担を軽減できる 

 → 制作物・準備・当日のサポートなど、正社員の負担を大きく減らせる 

・固定費にならず、必要な日だけ依頼できる 

 → 採用できない時期の“つなぎ”としても使いやすい 

・派遣では断られやすい単発・短時間依頼にも対応しやすい 

 → 行事前の午前だけ、休憩時間だけなど柔軟な働き方に対応 

特に今は「そもそも応募が来ない」「短時間で良いから誰か手伝ってほしい」という声が全国の園で増えています。そんな場面で、フリーランス保育士を上手に活用することで、日々の運営がスムーズになり、正職員の負担も軽減します。 

園側から見たデメリット 

フリーランス保育士の活用は便利ですが、園側からは「良さは分かるけれど、実際に導入するとなると少し迷う…」という声もよく聞かれます。ここでは、実際の園から挙がりやすい“導入しづらい理由(デメリット)”を紹介しつつ、「どうすれば無理なく導入できるか」を整理します。 

園が感じやすいデメリット例 

・急なキャンセルのリスク(体調不良など、雇用と違い代わりがいない) 

・園の保険適用外になるケースがあるため、事故時の対応ルールを共有する必要がある 

・スポット勤務だと引き継ぎが最小限になりやすい 

・業務範囲の認識がズレやすい(園ごとのやり方が異なるため) 

また、現場の先生の中には「外部の方に任せて大丈夫かな…」という不安があり、同意を得られず導入に進まないケースもあるのではないでしょうか。 

こうした不安は特別なことではなく、どの園でも自然に起こるものです。ただ、いくつかのポイントを整えるだけで、フリーランス保育士はぐっと使いやすくなります。 

フリーランス保育士を活用する際のポイント 

フリーランス保育士を安心して活用するためには、 「事前の情報共有」と「業務範囲(職域)の明確化」 を整えておくことが最も重要です。ここが曖昧なまま依頼してしまうと、園とフリーランス双方で認識にズレが生まれ、前章であげたデメリットにつながりやすくなります。 

① 急なキャンセルリスクへの対策:事前の役割整理

フリーランスは雇用ではないため、「急に来られなくなる可能性がゼロではない」のは事実です。 

そのため、誰が・どの業務を・どの優先度で対応するのか を事前に整理しておくと安心です。 

・代わりが必要な業務/園で調整可能な業務を分けておく 

・依頼が中止になった場合の連絡手段と時間帯を決めておく 

・園側で“最低限回る体制”を共有しておく 

業務を可視化しておくことで、急な欠員が出ても現場の混乱が大きく減ります。 

② 保険適用外の不安:事故時の対応ルールを共有

「園の保険が使えるのか」「どこまでフリーランスの保険でカバーできるか」など、事故時の対応は園にとって最も慎重になる部分です。 

そのため、依頼前に次の3点だけ確認しておくと、大半の不安は解消されます。 

・ケガ・トラブル時の 報告方法(電話/LINE/写真共有など) 

・緊急連絡先(園長・主任など) 

・園の保険・フリーランス側の保険の 適用範囲 

この3つが明確になっているだけで、万が一のときの判断が迷わず、園側も安心して依頼できます。 

【共有しておくとトラブルが大幅に減る項目】 

・園内ルール・動線・午睡の見守り方法 

・声かけや関わり方の方針 

・依頼したい業務 

・関わってほしくない業務 

(例:保護者対応の判断など) 

こうした情報を事前に共有しておくことで、「どこまで任せていいのか分からない」「園側の意図とスポット保育士の意図がズレていた」といったトラブルを避けられ、初めての依頼でもスムーズに動いてもらえます。採用が厳しい今だからこそ、少しの準備でフリーランス保育士は園にとって大きな助けとなります。 

採用担当らいん君を使ってスポット保育士を採用しよう! 

フリーランス保育士を活用したくても、「どうやって依頼すればいいのかわからない」「急な欠員のときに連絡先がすぐに出てこない」という声は多く聞かれます。特にスポット勤務は“その日だけ”“数時間だけ”という依頼が多いため、園側が素早く連絡できる仕組みを整えておくことがとても重要です。 

そんなときに役立つのが、園向けLINE運用サービス 「採用担当らいん君」 です。 

採用担当らいん君は、本来は正社員・パート採用のためのツールですが、「LINE公式アカウントの友だちにすぐ連絡できる」「個別にスカウト(チャット)ができる」 という特長から、スポット保育士の依頼にもとても相性が良いサービスです。 

【園側が感じる主なメリット】 

・急な欠員時にもすぐ連絡できる(LINEで一斉送信) 

・短時間の依頼でも送信しやすい(テンプレの使い回しが可能) 

・園の情報がすでにコンテンツとしてまとめられているため、ミスマッチが少ない 

・気になる人へ個別スカウトも可能 

・募集〜返答までをLINE内で完結できる 

たとえば、「明日の午前だけ手伝ってほしい」「行事前の準備だけお願いしたい」といった依頼も、かんたんに一斉送信が可能です。通常の求人媒体では届きにくい“ピンポイントの働き手”に、一瞬で声をかけられるのがLINE公式アカウントの大きな強みです。 

スポット勤務は、園にとっても、フリーランスにとっても「必要なときだけ働ける」という柔軟な働き方です。採用担当らいん君を導入しておけば、急な欠員や行事前の負担も減らせるため、園全体の運営がスムーズになります。 

固定費をかけず、必要な人材にすぐ依頼できる仕組みを整えたい園には、特におすすめです。 


執筆者情報

上杉 功(うえすぎ いさお)株式会社チポーレ代表取締役。

保育士の採用や園児集客をサポートするサービスを展開中。保育士や園長の負担軽減と保育の質の向上を目指し、現場に即したサービスや情報発信を日々行っております。